「日本産漆の生産の現状と将来」を知るために、2010年1月15日~17日、ポスター展示や講演会などを開催しました。のべ約1500名という非常に多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。

 

 

日程

日程 開始時間  催し物  参加者
 第1日目:2010年1月15日(金)  午後1時30分~  開会記念講演会など  約800名
 第2日目:2010年1月16日(土)  午前10時~  漆の講演会、漆サミット2010  約350名
 第3日目:2010年1月17日(日)  午前10時~  漆の講演会  約350名

 

漆サミット2010の趣旨

ウルシ科の樹木から樹液を取り、それを調整加工して塗料あるいは接着材として利用するのは東アジアから南アジアにかけての固有の文化である。とりわけ日本、中国、朝鮮半島ではウルシ属のウルシの樹液を用いて漆製品とする技術・文化が古くから発達し、人びとは漆器のある生活を営み、そして高度な美術工芸品を生み出してきた。特に日本に於いてはウルシの栽培・漆液採取に始まり、木地生産、塗り、加飾など、それを製品に仕上げ、流通するすべての段階において、実に多くの人びとが携わって、漆製品を作りあげ、利用する技術・文化体系が高度に発展してきた。しかし、現今の大量生産・大量消費を是とする社会においては、良質なものを息長く利用する漆のような技術と文化は片隅に追いやられ、わずかに息づいているに過ぎない。高度な天然素材で、環境負荷も少なく、またアジアの気候風土にマッチした漆の復権を計ることは、現在地球人類全体の最重要課題である地球温暖化、地球環境悪化の状況を少しでも改善するために貢献することになると言える。

そこで、この漆サミットでは、この漆の元となる植物としてのウルシそのものの研究に始まり、その栽培育成と漆液生産の技術と文化、漆液の物理化学的性質の研究と漆液精製技術、漆器木地の制作技術、塗料としての漆の化学・工学、漆工芸技術と文化、漆器生産と流通、漆の生産から消費のすべての過程での地域の生産活動と地域社会、そして漆器の利用文化と美術工芸など、漆に関連するすべての分野と活動に関わる人びとが一堂に会して、縦割り状態にある個々の専門分野を「漆」という緯糸で横断的に総合し、互いの情報交換と相互理解、そして協働しての漆技術の継承と復権を計る場として設定した。漆を巡る専門分野の学会や研究会は既にいくつかあり、それらは活発な活動を通してこれまでにも多くの業績を上げて来ているが、このサミットではそれらの団体にも積極的に参加を仰ぎ、漆産業と技術・文化の更なる継承と発展を図る場としたい。

漆サミット2010実行委員会

鈴木三男(代表)、阿佐見徹、石村一洋、岡村道雄、小野忠司、北野信彦、佐々木由香、高尾曜、田端雅進、中村裕、能城修一、本間幸夫、三田村有純、宮腰哲雄、山田昌久、四柳嘉章、若宮隆志

漆サミット2010年 プログラム

○ 第1日目 2010年1月15日(金)

午後  オープニングセレモニー

 

 

 

 

 

 

 

午後  開会記念講演会 (二戸市名誉市民 瀬戸内 寂聴 師)

○ 第 2日目 2010年1月16日(土)

午前 「漆の講演会 1」

1 漆文化のあけぼの 漆の考古学 (明治大学文学部 阿部 芳郎 氏)
2 漆の成分から何がわかるか (東京大学総合博物館 吉田 邦夫 氏)
3 塗膜片から見る漆のすがた (明治大学理工学部 本多 貴之 氏)
4 ミクロの世界の漆工芸技術 (帝京大学山梨文化財研究所 河西 学 氏)

午後  講演会「日本のウルシ」

1 ウルシ利用の技術史 (首都大学東京 山田 昌久 氏)
2 漆の特性とその可能性 (前京都市産業技術研究所 阿佐見 徹 氏)

午後  「漆サミット2010」 ウルシ産地の現状

全国の漆生産地からのポスター発表

午後  パネルディスカッション「産地の現状と今後」

コーディネーター :鈴木 三男 氏(東北大学)
パネリスト:中村 裕氏(岩手県二戸市) 本間 幸夫氏(茨城県常陸大宮市) 小野 忠司 氏(岡山県新見市)

午後  漆サミット2010懇親会

○ 第3日目 2010年1月17日(日)

午前  「漆の講演会 2」

1 漆の気体透過の科学(明治大学理工学部 永井 一清 氏)
2 漆の乾燥・硬化の科学(明治大学理工学部 石村 敬久 氏)
3 漆の劣化と保存・修復の科学(東京都立産業技術研究センター 神谷 嘉美 氏)
4 漆カブレの科学(聖マリアンナ医科大学微生物教室 中島 秀喜 氏)

午後  講演会「漆の文化」

1 増村 紀一郎 氏(重要無形文化財保持者(きゅう漆))
2 室瀬 和美 氏(重要無形文化財保持者(蒔絵))

 

○ 展示

漆樹のしずくをあつめて・・・ ~国産漆最大の産地 浄法寺~

■ 漆生産地域の現状を知ってもらうために

・二戸市浄法寺地域の現状を展示やパネルで紹介
・岩手県立大学の学生による企画展示
・漆掻き体験や漆塗り体験

 

漆の学術フロンティア推進事業

■ 漆の科学的性質を知ってもらうために

・「漆の学術フロンティア推進事業」の展示
1)漆文化のあけぼの
出土漆、伝世品漆
2)現代の漆工芸
代表的な産地の漆工芸品、琉球漆器、東南アジア~東アジアの漆工芸品、漆塗りの道具類(漆刷毛)など
3)これからの漆の利用法
ハイブリッド漆、ナノ漆、インクジェット印刷を利用した蒔絵、合成漆など

 

漆サミット2010 「日本産漆生産の現状と将来」

■ 国内漆資源の現状と取組を知ってもらうために

・全国の主な漆生産地のポスター展示

第1回漆サミット(漆サミット2010)ポスター

現在公開のために準備しています。しばらくお待ちください。