第4回漆サミット(漆サミット2012 in 浄法寺)開催のお知らせ(第1報)

第4回漆サミットを2012年10月12日から10月14日まで,岩手県浄法寺で開催します。

・日程:
2012年10月12日(金)~14日(日)

・場所:
岩手県二戸市浄法寺文化交流センター
〒028-6854 岩手県二戸市浄法寺町下前田30 -1

詳細については,「漆サミット2012 in 浄法寺」をご覧ください。

第1回漆サミット(漆サミット2010)

「日本産漆の生産の現状と将来」を知るために、2010年1月15日~17日、ポスター展示や講演会などを開催しました。のべ約1500名という非常に多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。

 

 

日程

日程 開始時間  催し物  参加者
 第1日目:2010年1月15日(金)  午後1時30分~  開会記念講演会など  約800名
 第2日目:2010年1月16日(土)  午前10時~  漆の講演会、漆サミット2010  約350名
 第3日目:2010年1月17日(日)  午前10時~  漆の講演会  約350名

 

漆サミット2010の趣旨

ウルシ科の樹木から樹液を取り、それを調整加工して塗料あるいは接着材として利用するのは東アジアから南アジアにかけての固有の文化である。とりわけ日本、中国、朝鮮半島ではウルシ属のウルシの樹液を用いて漆製品とする技術・文化が古くから発達し、人びとは漆器のある生活を営み、そして高度な美術工芸品を生み出してきた。特に日本に於いてはウルシの栽培・漆液採取に始まり、木地生産、塗り、加飾など、それを製品に仕上げ、流通するすべての段階において、実に多くの人びとが携わって、漆製品を作りあげ、利用する技術・文化体系が高度に発展してきた。しかし、現今の大量生産・大量消費を是とする社会においては、良質なものを息長く利用する漆のような技術と文化は片隅に追いやられ、わずかに息づいているに過ぎない。高度な天然素材で、環境負荷も少なく、またアジアの気候風土にマッチした漆の復権を計ることは、現在地球人類全体の最重要課題である地球温暖化、地球環境悪化の状況を少しでも改善するために貢献することになると言える。

そこで、この漆サミットでは、この漆の元となる植物としてのウルシそのものの研究に始まり、その栽培育成と漆液生産の技術と文化、漆液の物理化学的性質の研究と漆液精製技術、漆器木地の制作技術、塗料としての漆の化学・工学、漆工芸技術と文化、漆器生産と流通、漆の生産から消費のすべての過程での地域の生産活動と地域社会、そして漆器の利用文化と美術工芸など、漆に関連するすべての分野と活動に関わる人びとが一堂に会して、縦割り状態にある個々の専門分野を「漆」という緯糸で横断的に総合し、互いの情報交換と相互理解、そして協働しての漆技術の継承と復権を計る場として設定した。漆を巡る専門分野の学会や研究会は既にいくつかあり、それらは活発な活動を通してこれまでにも多くの業績を上げて来ているが、このサミットではそれらの団体にも積極的に参加を仰ぎ、漆産業と技術・文化の更なる継承と発展を図る場としたい。

漆サミット2010実行委員会

鈴木三男(代表)、阿佐見徹、石村一洋、岡村道雄、小野忠司、北野信彦、佐々木由香、高尾曜、田端雅進、中村裕、能城修一、本間幸夫、三田村有純、宮腰哲雄、山田昌久、四柳嘉章、若宮隆志

漆サミット2010年 プログラム

○ 第1日目 2010年1月15日(金)

午後  オープニングセレモニー

 

 

 

 

 

 

 

午後  開会記念講演会 (二戸市名誉市民 瀬戸内 寂聴 師)

○ 第 2日目 2010年1月16日(土)

午前 「漆の講演会 1」

1 漆文化のあけぼの 漆の考古学 (明治大学文学部 阿部 芳郎 氏)
2 漆の成分から何がわかるか (東京大学総合博物館 吉田 邦夫 氏)
3 塗膜片から見る漆のすがた (明治大学理工学部 本多 貴之 氏)
4 ミクロの世界の漆工芸技術 (帝京大学山梨文化財研究所 河西 学 氏)

午後  講演会「日本のウルシ」

1 ウルシ利用の技術史 (首都大学東京 山田 昌久 氏)
2 漆の特性とその可能性 (前京都市産業技術研究所 阿佐見 徹 氏)

午後  「漆サミット2010」 ウルシ産地の現状

全国の漆生産地からのポスター発表

午後  パネルディスカッション「産地の現状と今後」

コーディネーター :鈴木 三男 氏(東北大学)
パネリスト:中村 裕氏(岩手県二戸市) 本間 幸夫氏(茨城県常陸大宮市) 小野 忠司 氏(岡山県新見市)

午後  漆サミット2010懇親会

○ 第3日目 2010年1月17日(日)

午前  「漆の講演会 2」

1 漆の気体透過の科学(明治大学理工学部 永井 一清 氏)
2 漆の乾燥・硬化の科学(明治大学理工学部 石村 敬久 氏)
3 漆の劣化と保存・修復の科学(東京都立産業技術研究センター 神谷 嘉美 氏)
4 漆カブレの科学(聖マリアンナ医科大学微生物教室 中島 秀喜 氏)

午後  講演会「漆の文化」

1 増村 紀一郎 氏(重要無形文化財保持者(きゅう漆))
2 室瀬 和美 氏(重要無形文化財保持者(蒔絵))

 

○ 展示

漆樹のしずくをあつめて・・・ ~国産漆最大の産地 浄法寺~

■ 漆生産地域の現状を知ってもらうために

・二戸市浄法寺地域の現状を展示やパネルで紹介
・岩手県立大学の学生による企画展示
・漆掻き体験や漆塗り体験

 

漆の学術フロンティア推進事業

■ 漆の科学的性質を知ってもらうために

・「漆の学術フロンティア推進事業」の展示
1)漆文化のあけぼの
出土漆、伝世品漆
2)現代の漆工芸
代表的な産地の漆工芸品、琉球漆器、東南アジア~東アジアの漆工芸品、漆塗りの道具類(漆刷毛)など
3)これからの漆の利用法
ハイブリッド漆、ナノ漆、インクジェット印刷を利用した蒔絵、合成漆など

 

漆サミット2010 「日本産漆生産の現状と将来」

■ 国内漆資源の現状と取組を知ってもらうために

・全国の主な漆生産地のポスター展示

第1回漆サミット(漆サミット2010)ポスター

現在公開のために準備しています。しばらくお待ちください。

第2回漆サミット(漆サミット2011)

漆サミット2011 「 危機に直面している国産漆」

2011年1月14日と15日、明治大学にて漆サミット2011が開催されました。連日多数の方にご来場いただき、ありがとうございました。

今回はテーマ別に3つのセッションとそれにかかわるポスター発表が設けられました。

1.趣 旨

本事業は、ふるさと文化財の森「浄法寺漆林」や国の選定保存技術となっている「日本産漆生産・精製技術」、さらには「浄法寺漆」・「奥久慈漆」・「備中漆」など日本産漆についての普及啓発を目的とする。 中でも、岩手県二戸市は浄法寺町を中心として、国内最大の生産地として漆文化が根付いている地域であり、その漆は京都鹿苑寺金閣や日光二社一寺といった国宝や重要文化財の修理・修復に使用され、我が国の文化財保存に欠かせない存在となっている。 しかし、他産地も含め、漆掻き職人の高齢化が進んでいるなど、優良なウルシ原木の資源確保や後継者の確保は喫緊の課題となっており、こうした問題を積極的に普及宣伝し、課題解決に向けた環境を整えていく必要があることから、本サミットを実施するものである。なお、本サミットは文化庁の「ふるさと文化財の森システム推進事業」の一環として行っている。

2.主 催

漆サミット実行委員会

3.共 催

明治大学・岩手県二戸市

4.後 援

(独)森林総合研究所・東北大学植物園・東京藝術大学・奥久慈漆生産組合・日本産漆を支援する 壱木呂の会・(株)パレオ・ラボ・(社)林原共済会・漆を科学する会

5.漆サミット2011実行委員会

宮腰哲雄(実行委員長)、鈴木三男、中村 裕、本間幸夫、三田村有純、小椋範彦、窪寺 茂、岡村道雄、北野信彦、山田昌久、阿佐見 徹、佐々木由香、工藤雄一郎、四柳嘉章、若宮隆志、高山雅之、中川綾子、能城修一、田端雅進

漆サミット2011内容

場所:明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン2階

日時:2011年1月14日(金)・15日(土)

○ 第1日目 2011年1月14日(金)

9:00~ 開場・受付
9:45~10:00 開会
開会のことば
主催者あいさつ 漆サミット実行委員会実行委員長 宮腰哲雄
来賓あいさつ 文化庁文化財部参事官(建造物担当)参事官補佐 井上敏昭氏

10:00~12:00 基調講演「漆の魅力」

対 談:三田村有純(東京藝術大学)・鈴木三男(東北大学植物園)         聞き手:白井貴子氏(シンガーソングライター)

12:00~13:00 休憩

13:00~14:30 ポスターセッション&展示見学

14:30~15:00 休憩

15:00~17:30  セッション1「国産漆のこれからの方向を模索して」

オーガナイザー:本間幸夫(壱木呂の会代表・漆芸家)

概要  第1回の漆サミットの結果をふまえ、ウルシの木の激減と後継者の育成に係わる問題点と、漆掻きと塗り手が漆の需要と供給というお互いの要望を率直に述べてもらい、さらなる需要の喚起を図る。 また日本産漆の需要の低迷は、それ以前に日本人の漆器離れという現状があり、漆器離れを巡る問題提起にエンドユーザーの代表から意見を頂く。世の中のニーズに変化が起き個人的制作を含め仕事の内容も又変わっていくのは宿命のような所もあるが、その辺もメディア側の厳しいご指摘や批判を頂く。パネリストとして浄法寺の漆掻きの鈴木健司氏と日本産を主に使っている塗り手の伏見真樹氏、エンドユーザーの代表には季刊「銀花」の編集長を11年務めた萩原薫氏にお願いした。 本セッションでは、漆に関する塗り手と漆掻きへのアンケート調査の報告もポスター発表と共に行ない、現時点での日本産漆の問題点を塗り手とこの問題に係わる多くの方々ができる範囲の運動に結びつけながらより良い形で継承されていくようにできればと考えている。このセッションで結論が導き出されることは難しいと思うが、何が現在大きな障害になっているか、問題点を探し出すことが目的である。

15:00~15:30 イントロダクション1
掻き手:鈴木健司(漆掻き・塗師)
15:30~16:00  イントロダクション2
作り手:伏見真樹(漆芸家)・使い手:萩原 薫(編集者)
16:00~17:30  パネルディスカッション
司会:本間幸夫
パネラー:鈴木健司、伏見真樹、萩原 薫

18:00~20:00 懇親会(サロン紫紺)

○ 第2日目 2011年1月15日(土)

9:00~ 開場・受付

10:00~12:00 セッション2「健全なウルシの森づくりに向けて」

オーガナイザー:田端雅進(森林総合研究所)

セッション2 「健全なウルシの森づくりに向けて」

概要  ウルシの樹液は、天然塗料として縄文時代から漆器や美術工芸品 等に使われ、日本人に広く親しまれている。しかし、現在日本で使 用される漆の約98%を中国産が占め、国産漆は残り2%程度しか生産されていない。漆は、伝統文化の維持に貢献してきた が、昨今伝統文化を支える漆の供給が危機的状況にある。これまで 2%に満たない国産漆は、高級な漆器にこだわる生産者らによって、主に上塗りの用途に使用されてきた。こだわりのある漆器生産者 は、中国産漆よりも国産漆の方が耐久性に優れている等の特性を指 摘するものの、こうした特性やその原因は解明されていない。 最近の動きとして、日光の文化財修復で平成19年より国産 漆生産全体の4割にも達する量が使用され始めたことにより、 安定的な需給体制を確立する必要性が高まっている。そのためにはウルシ林の資源量を明らかにし、ウルシ林の管理技術を確立する必 要がある。また、その管理技術を有する人材の育成やそのための制 度の整備も必要である。 本セッションでは岩手県での「浄法寺漆振興戦略」に基づく施 策、二戸市での「漆を活かしたまちづくり」に沿った事業、森林総 合研究所や明治大学などによる「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業:地域活性化を目指した国産ウルシの持続的管理・ 生産技術の開発」を紹介し、健全なウルシの森づくりに向けて何が 必要かについて議論の場としたい。

10:00~10:30 イントロダクション 田端雅進
10:30~12:00 パネルディスカッション
司会:田端雅進
パネラー:太田 浩(岩手県県北広域振興局農政部二戸農林振興センター)、          中村 裕(二戸市うるし振興室)、宮腰哲雄(明治大学理工学部)

12:00~13:00 休憩
13:00~14:00 ポスターセッション&展示見学

14:00~16:00 セッション3「下宅部遺跡をめぐる縄文時代の漆文化」

オーガナイザー:能城修一(森林総合研究所)

概要  東京都東村山市下宅部遺跡(縄文時代中期中葉~晩期中葉;今から5300~2800年前)からは、様々な漆塗りの容器や飾り弓、漆器製作過程で使われた容器やパレット、水銀朱が付着した磨石などが出土している。また、漆掻きの痕跡をもつウルシの木が杭として使われていたほか、漆液で補修された土器なども出土している。このように下宅部遺跡では、漆液の採取から漆器の製作、および漆液採取後のウルシ木材の利用までが、当時の森林資源利用体系のもとで行われていたことが明らかとなっている。セッション3では、現在漆を扱っている様々な方に、下宅部遺跡の出土遺物を実際に見ていただき、当時の漆液利用や漆器製作、およびウルシ林の管理と利用がどのように想定されるかについて議論する場としたい。 オーガナイザーからは、下宅部遺跡から出土した木材の分析から、ウルシの木の太さや年齢などを中心にして、ウルシ林の管理と利用がどのように捉えられるのかを説明したい。それを受けて、パネラーの方には、ウルシの林の管理や、漆液の採取方法、漆液の必要量、漆器をつくる際の漆液の使用方法やその技術などについて、話題提供をお願いしたい。
14:00~14:30 イントロダクション
千葉敏朗(東村山ふるさと歴史館)・能城修一(森林総合研究所)
14:30~16:00 パネルディスカッション
司会:佐々木由香(パレオ・ラボ)
パネラー:神長正則(奥久慈漆生産組合)、本間健司(荻房茨城奥久慈工房)、千葉敏朗、能城修一
16:00 閉会

<ポスター発表>

今回はセッションのテーマに沿ったポスターおよび、そのほか漆に関わる成果のポスターの発表を行いました。

セッション1関連:  漆を生かした取り組みの成果・事例紹介

セッション2関連:  ウルシの資源・育成・管理、ウルシの植物学に関わる成果・事例紹介

セッション3関連:  遺跡出土に関連した漆の遺物・遺構に関わる成果・事例紹介

■展示 セッション3にかかわる下宅部遺跡の遺物の展示および現代作家による作品の展示を行いました。

漆サミット2011は 農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」および文化庁「ふるさと文化財の森システム推進事業」です。

第3回漆サミット(漆サミット2012)

第3回漆サミットを明治大学で開催しました。

漆サミット2012 1日目の様子

2012年1月12日(木) ~ 1月15日(日)
明治大学 紫紺館・リバティー校舎1011教室

1月13日(金)  紫紺館
13:00~15:30 講演会(テーマ:ウルシ資源管理・利用)
15:30~18:00 講演会(テーマ:歴史・文化)

1月14日(土)  リバティー校舎1011教室
10:00~12:00 特別講演(講演者:窪寺 茂氏)
13:00~17:30 明治大学130周年記念事業「漆シンポジウム」
18:00~20:00 懇親会

1月15日(日)  紫紺館
10:00~12:00 漆の学術フロンティア研究成果発表会
13:00~17:30 講演会(テーマ:アジアの漆文化と工芸)

1月13日(金)  紫紺館
13:00~15:30 講演会(テーマ:ウルシ資源管理・利用)
15:30~18:00 講演会(テーマ:歴史・文化) 1月12日(木)~ 1月15日(日)

明治大学博物館 特別展示室  10:00~17:00

主催:明治大学
共催:漆サミット実行委員会・二戸市
後援:(独)森林総合研究所・東北大学植物園・東京藝術大学・明星大学・東北芸術工科大学・東京都立産業技術研究センター・明治大学日本先史文化研究所・(株)パレオ・ラボ・漆を科学する会・日本産漆を支援する壱木呂の会・日仏笹川財団


プログラム(1日目) 1 月13 日(金)
紫紺館 3 階 講義室

13 時〜17 時30 分

ウルシ資源の生育・管理

1 飯田昭光(地方独立行政法人 青森県産業技術センター林業研究所)「ウル シの植栽と管理」
2 中村 仁(農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所)「ウルシ林に発 生した紫紋羽病」
3 渡辺敦史(森林総合研究所 林木育種センター)「ウルシはどこから来たの か?」-近縁種であるハゼノキに見る栽培樹木の由来の推定法-
4 久保島吉貴(独立行政法人 森林総合研究所)「ウルシ材の強度特性」

漆の歴史・文化

1 小林公治(九州国立博物館)「唐代装飾鏡制作技術の検討 -漆と天然樹脂 使い分けの可能性を中心に-」
2 千葉敏朗(東村山ふるさと歴史館)「縄文土器に漆を塗るということ」
3 岡村道雄(松島縄文村歴史資料館)「縄文漆文化の特色」
4 宮里正子(浦添市美術館)「天字形などの印を付した琉球漆器について~琉球王家所蔵品としての考察~」

 


プログラム(2日目) 1 月14 日(土)
明治大学リバティタワー 1011 教室

10 時〜11 時30 分

特別講演

窪寺 茂 (建築装飾技術史研究所) 「建築と漆塗、その歴史的様相」

13 時〜17 時30 分

明治大学130 周年記念事業「漆シンポジウム」

1 室瀬和美(重要無形文化財『蒔絵』(人間国宝),目白漆芸文化財研究所)
2 Dr. Anne-Solenn Le Ho(ルーブル美術館 保存科学室(LC2RMF))
3 Dr. Monika Kopplin(ミュンスター漆工芸博物館 館長)
4 宮腰哲雄(明治大学理工学部)
5 神谷嘉美(東京都立産業技術研究センター)

懇親会 18 時〜 明治大学リバティタワー 17 階 スカイラウンジ暁


プログラム(3日目) 1 月15 日(日)
10 時〜12 時 紫紺館3 階 講義室

10 時~12 時 漆の学術フロンティアの研究成果発表会

1 吉田 孝(北見工業大学工学部)「漆構成成分の構造解析と相互作用」
2 岡田文男(京都造形芸術大学歴史遺産学科)「漆膜のクロスセクション分析 と評価」
3 本多貴之(明治大学理工学部)「熱分解分析で紐解く”漆器”の科学」
4 吉田邦夫(東京大学総合博物館)「ストロンチウム同位体分析からわかる列 島の漆、大陸の漆」

13 時〜17 時 「アジアの漆文化と工芸」

1 張 飛龍(中国西安生漆研究所)「Research on Lacquer Tree Resource in China」
2 高田知仁(タイ、サイアム大学)「タイの仏教美術と漆」
3 安藤彩英子(ベトナム、漆芸研究家)「工芸に属さない漆芸、 ベトナム漆画」
4 Ounheuane Soukaseum(ラオス、漆芸研究家)「ラオスの漆文化と工芸」
5 総合討論


プログラム(3 日間・併設)

ポスター発表

会場 紫紺館 3 階
奇数番号 1 月13 日(金)12 時〜12 時50 分 紫紺館3F ポスター会場
偶数番号 1 月15 日(日)12 時〜12 時50 分 紫紺館3F ポスター会場

1 橋田 光(独立行政法人 森林総合研究所)「ウルシ材の化学特性」
2 小岩俊行(岩手県林業技術センター)「管理の異なるウルシ林の生育調査事 例」
3 細川英邦(輪島市産業部)「輪島塗と漆文化を活かした事業」
4 竹本周平(独立行政法人 森林総合研究所)「ウルシ林に発生した白紋羽病」
5 Seiji Takahashi, Masamichi Tsukagoshi, Yuki Kitahara, Toshiya Satoh,Takuya Suga and Toshihiro Fujii , Meisei University, Department of Chemistry, Faculty of Sciences and Engineering, 「日本漆の熱分析: Pyrolysis analysis of Japanese lacquer films: Evolved gas analysis–ion-attachment mass spectrometry versus Pyrolysis/GCMS」
6 明星大学(藤井研究室)と明治大学(宮腰研究室)—フランスdu Louvre Museum (Dr. Anne-Solenn Le Ho)とEcole Polytechnique大学(Dr. Michel Sablier) の共同研究、日仏笹川財団「日仏二国間共同研究」:「うるしの美を科学する: ルーヴル博物館にある歴史的漆器類の科学分析」事業
7 吉田邦夫、中井俊一、佐藤 正教(東京大学総合博物館)「ストロンチウム同 位体を用いた漆遺物の産地推定」
8 蘇日娜博、吉田 孝(北見工業大学)「日本産漆のDNA 系統解析と生育環境 との関係」
9 石村敬久、白 玉廷、吉田 孝(北見工業大学)「表面プラズモン共鳴によ る漆糖鎖とタンパクとの相互作用」
10 神谷嘉美(東京都立産業技術研究センター)「漆膜の劣化機構の解明」
11 冨永大貴、桝本深、本多貴之、宮腰哲雄(明治大学理工学部)「日本産漆液 の分析評価」
12 安西健一郎、武井涼、本多貴之、宮腰哲雄(明治大学理工学部)「ベトナム 漆液の分析とクロメ漆に関する研究」
13 大八木裕貴、宮腰哲雄、岩丸虎喜、勝俣裕、植草新一郎(明治大学理工学部) 「漆を用いた電磁波吸収材料の開発」
14 関口裕樹、本多貴之、宮腰哲雄(明治大学理工学部)「漆ロウの分析評価」
15 江畠成彦、陸榕、宮腰哲雄(明治大学理工学部)「キトサンを用いた新規漆 塗料の開発」
16 蔦野恭平、宮腰哲雄(明治大学理工学部)「ラッカーゼ酵素を用いたフェル ラ酸配糖体の脱水素重合反応と抗酸化能の測定」
17 松本則行(新潟県森林研究所)「新潟県におけるウルシのツキノワグマによ る被害」
18 中村 裕、泉山和徳(岩手県二戸市うるし振興室)『岩手県二戸市における 「漆を活かしたまちづくり」の取組み』

 


 

「漆サミット2012」展示会

展示会:1 月12 日(木)〜 1 月15 日(日)
展示会場 明治大学博物館 (明治大学お茶の水キャンパス アカデミーコモン 地下1 階)

1 ウルシ資源の育成とリサイクル

1) ウルシの苗から漆液の採取まで
2) 樹液採取:初辺漆、盛辺漆、遅辺漆、裏目掻漆、止掻漆、根漆、枝漆
3) 漆液掻き取り道具 など

2 漆樹の活用

1) ウルシの果実から作るローソクの製作工程
2) 漆蜂蜜
3) 漆コーヒー
4) 漆炭
5) 漆板、箱
6) 漆の浮き
7) 床磨き、ワックス
8) 漆酒 など

3 漆塗り:漆塗りの工程、塗り板、道具類

1) 拭き漆
2) 椀の下地
3) 螺鈿、夜光貝
4) 堆錦
5) 漆絵、塗り見本(手板)、道具(粉、箔、はけ、ヘラ)、金属箔、金属箔
6) 変わり塗り など

4 南蛮漆器、輸出漆器『世界の文化、科学と芸術から見た漆 URUSHI 』

1) アジアの漆資源と漆文化
2) 輸出漆器
3) 長崎螺鈿
4) パピエマッシェ など